08.20.1977

我々は宇宙に向けてメッセージを送りました。 銀河には2000億個もの星があり、いくつかの星には生命が住み、宇宙旅行の技術を持った文明も存在するでしょう。 もしもそれらの文明の一つがボイジャーを発見し、レコードの内容を理解することができれば、我々のメッセージを受け取ってくれるでしょう。 我々はいつの日にか、現在直面している課題を解消し、銀河文明の一員となることを期待します。 このレコードでは我々の希望、我々の決意、我々の友好が、広大で畏怖すべき宇宙に向かって示されています。

これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、我々の音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。 私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。

アカシックレコードはご存知だろうか。 あなたはどんな軌跡を刻んで来たのか、今どこで何をしているか、どんな声で、瞳で、想いで。 途方も無く大きな宇宙の中で、絶え間なく刻み続ける全ての軌跡。

神羅万象、全ての軌跡が刻まれたこのレコード。 果たしてこのレコードを聴いた者に、”私”は届くのだろうか。 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、あなたが感じているそれは全てではありません。 あなたの感じる普通は、実は普通では無いかも。 例えば、音とか。

これを聴いて、感じて、どう思うか。 うるさい?重い?怖い?苦しい? これはどうだろうか。

じゃあこれは?

違う。全て間違っているのかも。 そんな簡単なものじゃなくて、気づいて欲しくて、でも知らず知らずに諦めていて。 今までも幾千もの星を超えてきたが、どれも的外れ。 あなたにとっての赤は別の視点では青なのかもしれない。 あなたにとってのりんごは別の視点ではブドウなのかもしれない。

分かった気になってないか。自分のことも、相手のことも。 もっとこの音は果てしないはず。 見えていそうで見えていない。 死んでいく音の墓場。

そもそも私の、あなたの、この世のアカシックレコードは本当に全て刻まれているのか? 身体に流れる血は今までの軌跡。でも誰も理解出来ない。 私が死を迎えても、この記録は生き残るのか。 私のアカシックレコード。 軌跡を刻んだゴールデンレコードをボイジャーに乗せて、宇宙という無限の彼方に飛ばしたら理解してもらえるのだろうか。 この音が聴こえますか?これは今まで刻んできたあなたの軌跡が今現在歩んでいる場所の音。 私と、あなたと、レコードは同時に刻まれている。 得た物も失ったものも全部、私である。あなたである。世界である。

暖かくて冷たいこの世界を生きている。 死んでも生き続けるように。

聴いて。

刻まれていくこの世界、それはアカシックレコード。 刻まれた軌跡を聴く、それはゴールデンレコード。 一生死ぬまで、死んでからも、この世が滅びても。

希望に満ちたとは言わないけれど、今よりも少し位は良い世界に飛んでいけるのか。 これからも刻んでいくしかないのである。このメッセージが届くかわからないけれど。

AKASHIC RECORDS (English)